冬の華
拳が…、
蹴りが…、
何度も空を切っていく。

避けられてるわけではない。
確実に入ってるはずだった。
が、
手応えがまったく感じられない。

実体がないからか?
なら…どうする?

今までやってきたのは全部無駄ってことか?

冷や汗が背中を伝う。

他に何か…?

《どうした?もう終わりか?
威勢が良いのは最初だけだな》

マジで此れ迄かよ…。
どうすればいいんだ…?
絶望感に襲われる。

《なら、大人しく見てるんだな》

大きく口元を緩ませ、
再び気を放ち始める。

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