冬の華
身動きさえ取れなくなった大和が

「何の真似だよ!放せ!」

羽交い締めにされた身体で
無駄な足掻きを繰り返す。

「若くて健康なこいつの体をやるその人の体を空け渡せ!」

「お前ふざけんなよ!」

俺の手から逃れようと暴れる。

「仕方ないんだ大和!
人助けなんだよ」

「冗談じゃねぇ!だったらお前の体を差し出せよ!」

必死にもがくが
身体はびくともせず。

「俺はダメなんだ!
俺の気はそれだけで強力な結界になるから近付く事さえ出来ない」

「ふざけんな!俺を騙したな!」

ご主人の身体がゆらりと
大きく揺れ崩れ落ちた。

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