冬の華
顔立ちも言われてみれば母に…

否、
俺に似ているのかもしれない。

妹が居るのも解ってる。

困惑させるのは、

「何で此処に居るんだよ?
親は?知ってるのか?」

「何だよ零稀?
妹が兄貴訪ねて来んのに何の問題があるってんだよ?」

事情を知らない大和が
不思議に思うのは解る。

「大和は黙ってろ!」

静かに
だが確実に
黙らせられるだけの気が放出し。

「良いかよく聞けよ!
此処へは来ない方が良い」

小さな少女を萎縮させていた。

「待って零稀!」

真愛の声より先に
少女の声なき声を読み解く。

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