冬の華
後悔に頭を押さえる。

「あのペテン師め!」

「そりゃお前だろ…」

大和の呟きに
親譲りだと気付かされる。

「零稀あのね…」

真愛の前に手をかざし
その先を制する。

「もう良い解ってる」

「解ってるってこの子ね」

真愛の弁明より
逸速く少女に頭を下げた。

「悪かった。俺の不在の半年間に何が起きても可笑しくない」

「何が何だかさっぱり分からん」

怒鳴られ損の大和がぼやく。

「あっとつまりさ…。
継父は血の繋がらない俺のことをどう思ってるのかを心配して…。此処に来るのは快くないかと」


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