冬の華
帰り際
迷いに迷ってやっと手渡された
少女からの手紙…。

「何て書いてあったの?」

真愛が覗き込み取り上げ。

「何で読んであげないの!」

未開封のそれを突き付けた。

「読まなくても解る」

「読むの怖いの?」

「本当に解るんだ」

隣に座る真愛を引き寄せ

「あの子…戸惑ってるだけで。
俺を兄として受け入れてる」

背中から抱き抱える。

「うん…。
彼女とは零稀が居なくなって直ぐ会ってるから結構長いんだよ?」

真愛と頬を合わせ
その手ごと手紙を握った。

「彼女最初から1人で零稀を訪ねて来たんだよ?」

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