冬の華
どっかの日本人かぶれの可笑しな外人男に入れ込んだ挙げ句に…、孕まされて始末も出来ずに産んだガキの面倒も看れずに。

令嬢様は何処ぞの紳士との家庭が欲しいと言いやがって…、

毎月金だけ振り込んでくるだけ。

要らないガキなら…、

要らない人間なら…、

誰にも必要とされないなら…、

必要とされる人間になるまでだ。

誰かに必要とされたなら…、

そん時は、
その手を絶対に離さない。

最後まで諦めて堪るかよ。

俺にすがる小さな手の存在を、
確かめる。

子供の足下で何かが光った。

陽を反射して映る外景。

チビってんなよ…。

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