冬の華
尻尾を叩き付ける音で、

我に還る。

《卑怯なことは絶対しない?》

ワンダが俺の理性を呼び戻す。

し…ない。

どうせ無理矢理抱き締めたとこで

拒絶されて嫌われる。

二度と会えなくなるぐらいなら、

俺は、耐える。

彼女が彼氏を吹っ切れる時まで。

近くで見守る。

拳を突き上げ、
ポーズを取った。

俺とワンダの会話を
知る由もない彼女は

間抜けな俺の姿を見て。

笑った。

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