冬の華
遠慮する彼女に
風呂を勧めた俺は、

入浴中の彼女に、

俺のスウェットを貸出すべく、
声を掛ける。

「あ〜のさ、
俺のでデカイと思うけど…
着替置いとくから使って」

浴室から響く水の音と、

彼女が湯船で動く音に、

鼓動は壊れるんじゃないかって
速度で打ち鳴り始める。

「ありがとうございます」

反響した声が、
妖しい程の色気を匂わす。

「いや…ごゆっくり」

これ以上ここに居たら、
ヤバイ。

かなり怪しい。

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