冬の華
風呂上がりの彼女は、

やはりデカ過ぎの
俺のスウェットを

袖を捲り、
足を託し上げて、

「大き過ぎですね?」

微笑む。

動く度にずり落ちる
裾に足を捕られて、
袖で手を隠している。

「あ〜えっと、
出掛ける訳じゃないから」

彼女の小ささが際立って…

俺がデカ過ぎんのか?

《人とは実に下等だな。
外見や服装に乱されるとは》

ソファのど真ん中を陣取り
丸まって片目を開けて、
俺を見下している。

「あの洗濯しても大丈夫ですか?
下着洗いたいんですけど?」

彼女がしおらしく、
モジモジと恥ずかしそうに、

爆弾発言を投下する。

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