冬の華
俺が人に何かを教えられるという実在感が好きでやってるカテキョのバイト。

今まで仕事と言えばこれぐらい。

彼女がバイトを初めて一週間。

学校とバイトの両立で
体力的になのか、

慣れない仕事と環境で
精神的になのか、

出迎えがないと思えば…。

「風邪ひくぞ?
寝るなら部屋行けよ?」

ソファに突っ伏し、
寝息を立てる彼女の肩を揺らす。

「ん…。お帰りなさい。
ごめんなさい寝ちゃった」

小さく舌を覗かせる。

「疲れてるみたいだけど平気?」

俺の心配を、

「うん。…バイト楽しいから」

笑顔で返す。

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