冬の華
頭が痛い、
目眩がする。

帰りたい。

此れがバイトなのか?
何かの間違いで、
ここのはずがない…。

一転して背中を見せる俺に

「お席は彼方ですご主人様」

腕を絡ませ引っ張る。

乳を押し付けんな。

「店、間違いだから帰るよ」

俺の台詞に、

「酷いですぅご主人様」

泣きそうになるんで、
仕方なく大人しく席に着いた。

途端に渡されたメニュー表…

何か頼んでサクサク帰ろう。

開いたページに、
全ての機能がフリーズする。

「先ずはメイドを指名してください指名の場合は別料金になりますが指名のない場合は空いてる子が、お相手しますよ」

イメクラなのか?

元々間違って入った店で、
指名なんてあるはずがないだろ。

俺がやり過ごすページを止めて、

「因みに今なら断トツ人気の子が空いてますよ?」

指し示した写真は、
紛れもなく…。

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