冬の華
腕の力を弱めても、
思いっ切り顔埋めてる彼女に、

「ん〜、キスしたいんだけど…」

何とも間抜けな告白…。

目線だけ上げた彼女が、

「禁欲中でしょ?」

悪戯な顔で微笑む。

なっ…何?
俺知らずに声出してたのか?

泡食ってる俺に、

「ワン君がいつも言ってるもん」

更に謎掛ける。

ワンダ?

振り返れば…
ソファの上で大欠伸。

「猫…が?」

呟いてしまう。

「あっ…信じてないでしょ?」

上目使いで睨まれる。

我慢出来ない…。

肩を掴んで引き離し、
目を真っ直ぐ見つめ
ゆっくり降りて行く

唇の距離まで数cm…
睫毛を伏せ更に降りる。

唇が触れ…


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