冬の華
《勘違いするなよ?
巻き込んだのはお前だ》

それに反応して
背中に冷たい汗が流れる。

俺と居れば彼女は大なり小なり、影響を受け続ける。

そうなれば…
不本意だが彼女を
危険に巻き込んでしまう。

でも俺は…。

彼女を抱く腕に力を込めた。

「また守ってくれるの?」

不安気な彼女の声に、

「あぁ…必ず」

大事でも…
大切にしてやりたいからこそ、
手放さなきゃならないモンがあることを初めて知った。

「なぁ…さっきの取り消す…」

痛ぇ〜
胸を切り刻まれてるみたいに、

「此処は俺の居場所で、
君の居場所じゃなかった…」

痛くて、
死にそう…。

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