冬の華
ある一点を凝視したまま、
動かなくなった俺に…
不信感を抱いたのか、

「…後悔してるの?」

呟いた。

「否…してない」

何から伝えよう…。
どこから話そうか。

そうだな…、
先ずは、

「俺は人との距離感って未だに、良く分からず接し方が巧くない。昔からの知り合いなんかは良いが新しく人間関係を広げるなんて、出来なかったんだ…」

彼女に会う前まで知り得なかった心が浮き出し立つ様な感覚を…。

「俺は愛される事に飢えてたから愛着心が半端じゃなかったんだ。一度心を開いた相手には徹底して執着するが初対面には冷たい…」

< 90 / 298 >

この作品をシェア

pagetop