冬の華
本当なら、
彼女を俺から引き離す為にも、
言うべきじゃなかったんだろうがやっぱ俺には一度手にした温もりを手放す様な馬鹿な真似なんて…出来るはずがなかった。

さっきから目の端に映り、
気になって仕方ないそれを

「アレって…俺?」

指差した。

「えっ?」

振り返りその存在を確認するや、部屋に飛び込み胸に隠す。

「隠されると…、
余計気になるんだけど?」

その後に続き、
それを奪い取った。

「隠し撮りにしては、
良く撮れてるじゃん。
実物の方が…、
何倍も良い男だけどな?」

言うが速いか、
彼女の腰を引き寄せ、
唇を重ねた。

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