それでも何故僕たちはいきるのだろう
ただの始まり
「…あぁ、つまらない」
俺は、生徒達が先生の説明も聞かずに一生懸命ノートを写すなか頬をついて窓を眺めていた。
そこには、他のクラスが体育の授業であろうグランドを走る掛け声と透き通った青ばかりの空が目に映る。
ふいに、黒板の前にいる少し髪が乏しい四十後半くらいの先生に目をやる。
大きく体を使いながらこの暑いなか汗をたらし唾を飛ばしながら、説明するけれど誰一人として聞いていない。
何故、そんなに頑張るのだろう
俺が最後に頑張ったのはいつだっけ。
そんなことは昔話のようであまり覚えてはいないけれど。