ぶす恋
翌日


私が学校に行くと、雪音ちゃんとけんとくんはもう来ていた。

「あっ!華恋おっはぁ~。昨日は、いきなり帰るんだもん!びくりしたよ。具合でもわるかったの?」

雪音ちゃんが、私の顔をのぞきこんできた。

「うん。黙って帰ってごめんね…。」

私の顔は、たぶん引きつっていたと思う。

心配してくれる雪音ちゃんの優しさは、今は痛い。
嘘ついてるのが、しんどい。

「大丈夫か?」

けんとくんが、私の異変に気ずいたからか、声をかけてくれた。

嬉しい。でも、雪音ちゃんが…。
そう思うと苦しくてしかたがなかった。

「華恋…?」

「ごめんごめん!私、昨日具合悪いくせに夜、ダイエットのために走っちゃったんだよね!だからなんか、気持ち悪くなってきちゃった。保健室行ってくるね!」


私は思いっきり明るく言い、言い終わると同時に走り去った。


“待てよ!”
けんとくんの声が聞こえた様な気がしたけど、無視して走り続けた。



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