ぶす恋
休み時間になり、雪音ちゃんとお弁当を一緒に食べていると

「あっれぇ~?ゆっきーとぶすこちゃん友達だったの?」



私のことを、ぶすこちゃんと呼ぶのはあの人しかいない。


「けんとおっはぁ☆てか、くんの遅すぎー!ぶすこちゃんって、華恋のこと?」

やっぱり。
声の主はけんとくんだった。


「寝坊しちゃってさ~。そっ!いつのまに仲良くなったんだよ?」

「さっきだよー。けいとこそ華恋と友達だったの?」

「ちっちが」「おう!」

私が、違うって言おうとしたのをさえぎられ、けんとくんに言われてしまった。


「実はな~、俺プロデュースでぶすこちゃんを、可愛くしてあげよーと思ってんだぁ~!」

「まじで!?楽しそー♪うちも仲間にいれてよぉ~!」

「いいぜぇ♪俺とゆっきーがいれば、最強だなっ!」



・・・あれ?
どんどん話が二人のあいだで進んでく・・・。

ここでやっと状況がつかめた。


「何言ってるの!?私が可愛くなれるはずないじゃん・・・。」

きっとそう。
絶対なれるはずない。
そりゃあ、何度も何度も可愛くなったときの、自分を想像しようとしたよ?

でもね、どうしても思い浮かばないんだ。
私が、可愛くなるなんて、とうてい無理だから・・・。



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