満員電車*チカンからはじまった恋*
「え、そんなのいいよ!」


もともとお礼してもらうようなことしてないのに…。


たまたまその場にいて、たまたま気づいたからなのに。


「だーめ!私におごらせて?…ね?」


美羽さんの必死さがあまりにもかわいすぎて、俺はしぶしぶうなずいた。


「ごちそうさまです。」


「やった♪」


もしかして、これが『ほれた弱み』?とかいうやつなのかな?



「隼人くんは砂糖いる?」


「あ、うん。俺、甘くないと飲めないんだよね…。」


ただでさえ美羽さんより年下なのに、ガキっぽさが際立つなぁ。


「私もなの!甘いものが大好きで、辛いものとか苦いものが無理でねー。」


「あ、俺も!辛いものとか本当は食べたいけど、全然食べれなくてさ。」


美羽さんと共通点があることにテンションがあがる俺。


気づけば30分は甘いものの話をしていた。


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