満員電車*チカンからはじまった恋*
クリスマスということもあってか、駅前は人が多い。


でも、俺が美羽さんを見つけるのに、そう時間はかからなかった。


「美羽さん!」


俺は美羽さんの肩を軽く叩く。


「隼人くん。よく見つけられたね!」


相手が美羽さんだからなんて言えなくて、笑ってごまかす俺。


「何食べる?やっぱりどこもいっぱいかな?」


「んー美羽さんは何が食べたい?」


俺がそう聞くと、少し考えて

「和食が食べたいな!」

と答える美羽さん。


「クリスマスなのに?」


クリスマスといえば、洋食のイメージだよな?


「そ…そうなんだけど、食べたくて!」


美羽さんは少し恥ずかしそうに言う。


かわいい…


そう思いながら、俺は笑い言った。

「じゃあ和食で!」


< 27 / 36 >

この作品をシェア

pagetop