満員電車*チカンからはじまった恋*
「隼人くん…わ、私…」


美羽さんはうつむいて俺の顔を見ない。


やっぱり俺の気持ち、困っちゃうよな…。


「美羽さん。」


俺が呼ぶと、美羽さんはパッと顔をあげた。


「はっきり言っていいよ?俺は美羽さんを困らせたくて言ったんじゃない。ただ…伝えたかっただけなんだ。」


振っていいよ?

そう心の中で言い、俺は笑った。


「私…ご、ごめんなさい…!」


「ううん。言ってくれてありがとう!呼び止めてごめんね。」


俺は美羽さんの身体の向きを反対にさせて、背中を軽く押した。


「美羽さん、ばいばい!」



こうして俺の恋は終わった。


美羽さん…ありがとう…。


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