COLORS【黒】堕天使CROSS
『堕天使』……天使の身でありながら天界を追放された者を言う。
もちろん天界では『悪魔』と同じとレッテルを張られてもおかしくない。

「人間界へ行くには天界を出る必要がある。即ち、それは天使の掟により『堕天使』になることを意味する」

「人間界?」

「そうだ──お前が手に持っている『ロザリオ』、それには悪魔たちを封印できる力がある。クレアが亡くなってしまった今、人間となったその生まれ変わりを探すんじゃ!」

そう、クレアは悪魔を封印しようとして失敗した。
任務を遂行できなかった時、天使は死ぬと人間に生まれ変わると聞いたことがある。
天界に居た者が下界に落とされるのを『試練』とみるか、『天罰』とみるかはその者次第。

「でもまた同じような目に遭うんじゃないの?」

「バカ者!!人間になったクレアは天使だった頃よりも何倍もの力を秘めている。それが天使が人間になる時の条件だからな」

「……と言われてもどこをどう探したら会えるんだよ、そのクレアの生まれ変わりとやらに」

「それは儂にも分からん」

「オイ、じいさんっっ!!随分いい加減なんじゃないかっ!!」

「……ロザリオに聞くのじゃ。よいな、アンディ。この天界はお前の運命にかかっておる。必ずやクレアの生まれ変わりを探しロザリオの力を復活させるのじゃ」

少し心許ない気もするんだが。

「分かったぜ、俺やってみる!……今まで世話になったな」

「健闘を祈っておるぞ。そして……クレアによろしくな」

迷いはなかった。
俺が『堕天使』になってこの天界が救えるなら。


そして、クレアに会えるのなら……。
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