COLORS【黒】堕天使CROSS
「あんた誰!!」
新手の痴漢か?!最近の痴漢は意外と大胆……ってそんなわけない、わよね。

「忘れちゃったの?僕だよ、アンディだよ!」

アンディ?

「あの──人違いじゃないですか?私の名前は神南亜美!だいたいクレアだとかアンディだとかここは日本だし、そんな外国人ぽい名前の人なんているわけないじゃない」

外国に住んでたとかハーフの人なら別だけど。

「君は人間だけど人間じゃない……『天使』なんだよ」

てっ、天使ぃ〜っ!

こいつ正気なの?頭大丈夫かな?

「とにかく私と一緒に警察に行こ」

彼の左手を掴むと来た道を戻るように歩き始めた。

「……ケイサツって何だ?」

「とにかくつべこべ言わずに来るのよ!」

「時間が無いんだよ、僕らには。君は僕と一緒に魔界に来てもらわなきゃいけないんだ」

魔界?どこよそれ!

「ちょ、ちょっと!!放してよ!」
拒否する間もなく私はこの奇しい奴に抱えられながら、空を飛んでいた。

「驚いた?」

「そりゃあ、ね。……あんた何者なの?」

「さっきも言ったろ、『天使』さ。まぁ──俺の場合は堕天使だけど」

夢なのか現実なのか?

夢であってほしいと強く願っていた。
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