COLORS【黒】堕天使CROSS
暗闇に映える魔界城。
偵察用の一羽のカラスが周辺の様子を伝える。
「グランス様、侵入者が来た模様です。どうしますか?今のうちに片づけておきましょうか?」
「ほっておけ。チャド」
「しかし奴らの狙いはこの魔界を支配するグランス様と思われます。厄介なことになる前に芽は摘み取っておくべきだと……」
「私に逆らうのか?」
グランスは彼の胸ぐらを掴むと顔をギリギリまで近づけた。
その表情は冷徹でとても恐ろしい。
普通の人間なら失神してもおかしくないかもしれない。
「いえ、そんなつもりは……ですが!やはりグランス様の手を煩わせることは自分の好むことではございません。悪魔の中でも選りすぐりの強者もおりますし、その者たちを向かわせるのが良策ではないでしょうか」
「諄いぞ!」
「しかし!!グランス様にもし万が一のことがあれば魔界は崩壊することとなるでしょう。胸騒ぎがするのです、今までと比べようのないくらい嫌な予感が……」
「聞けば、ミレンヌに深手を負わせた天使の生まれ変わりがいるというではないか。その者は中心に赤い石が埋め込まれたロザリオを継承しているという」
「もしや……今回の侵入者が?!」
「悪魔の中でもトップの力を誇るミレンヌが殺されかけた。そんな力を持つ者を倒せるのは恐らくいないだろう……私を除いてはな。面白いではないか、たまには直々に制裁を与えてみるのも悪くないだろ」
「……グランス様」
「フフフ……」
右手にもたれたワイングラスの赤色が血の色にさえ見えていた。
偵察用の一羽のカラスが周辺の様子を伝える。
「グランス様、侵入者が来た模様です。どうしますか?今のうちに片づけておきましょうか?」
「ほっておけ。チャド」
「しかし奴らの狙いはこの魔界を支配するグランス様と思われます。厄介なことになる前に芽は摘み取っておくべきだと……」
「私に逆らうのか?」
グランスは彼の胸ぐらを掴むと顔をギリギリまで近づけた。
その表情は冷徹でとても恐ろしい。
普通の人間なら失神してもおかしくないかもしれない。
「いえ、そんなつもりは……ですが!やはりグランス様の手を煩わせることは自分の好むことではございません。悪魔の中でも選りすぐりの強者もおりますし、その者たちを向かわせるのが良策ではないでしょうか」
「諄いぞ!」
「しかし!!グランス様にもし万が一のことがあれば魔界は崩壊することとなるでしょう。胸騒ぎがするのです、今までと比べようのないくらい嫌な予感が……」
「聞けば、ミレンヌに深手を負わせた天使の生まれ変わりがいるというではないか。その者は中心に赤い石が埋め込まれたロザリオを継承しているという」
「もしや……今回の侵入者が?!」
「悪魔の中でもトップの力を誇るミレンヌが殺されかけた。そんな力を持つ者を倒せるのは恐らくいないだろう……私を除いてはな。面白いではないか、たまには直々に制裁を与えてみるのも悪くないだろ」
「……グランス様」
「フフフ……」
右手にもたれたワイングラスの赤色が血の色にさえ見えていた。