あたしの中のアタシ。
「…っ」
溢れだす涙。
『綺羅は悪くない』
初めてだった。
誰かにそう言ってもらったのは。
─傷だらけで可愛そうな綺羅。でももう大丈夫、アタシがついてるわ。
「本当?」
─本当よ。アタシはあなたを裏切らない。
これからはアタシが綺羅を守るからね。
「あたしを、守ってくれるの?」
─えぇ、だって、アタシはあなただから。
「あたし?」
─そうよ。誰も守ってくれないのなら、自分で自分を守ればいい。
アタシがあたしを守ってあげる。
だから安心して、ゆっくり休んで…
「っ、ありがとう…」