神様・俺様・速人様

食堂は、すごく広かった。天井高いし、バイキング形式だし!!!!

(では、いただきまーす)

先生が号令をかけると、皆それぞれ自分のバイキングをとりに行った。


『うわー和洋中っていっぱいあるんだあ~』

すると、隣に誰か来た。

「こんにちわ」

ふと振り向くと、それはそれは美人な人が立っていた。

『こっ!!こんにち…わ?』

その美人はクスクスと笑っている。

「お前…やっぱりアホだな。」

あたしが唖然としていると、美人はなんと頭の上を掴んで上に引き上げた。


『ぁっ!!!あんた!!!』

なんと美人はカツラ。
ていうか、男!!!!!!


「お前、体育科は女子5人しかいないのに、こんな美人なやつがいるわけないだろ」

コイツッ………て…うん?

『あんたさ、まさか陸上の』

「ご名答。撮影終わったから帰って来たんだ。」


『何で女装してんの??!!』
「は?お前俺の仕事知らねーの!?」

『知らないわよ!!』

「俺、歌舞伎の女形なんだ」

『ぅっ……うっそ』

「ほんと」
男は淡白に答える。

『すごいね…その仕事…』
「仕事っつーか、俺からしたら、趣味みたいなもん。昔から、やってて俺には…って何笑ってんだよ!!」

『あたしも!!陸上ってやっぱり趣味みたいに楽しいからさ。』

意外だった。
もっと、ヤラサレてる的なかんじだと思ってたから。
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