神様・俺様・速人様
直哉の存在
「速人くんの?」
『ぅん…昨日あたし居たから…』
「一応、見に行く?始業まで15分あるし…」
『行ってくるわ!!』
速人の部屋に着き、あたしはベッド下から何からくまなく探した。
『ぁっ…あったあーッッ』ケータイは枕に埋もれていた。
『さっ…そろそろ行くか』
時間は残り5分。
飛ばせば余裕
陸上部でよかった~
なんて!呑気なこと考えてる余裕なんてない!!
そう思ってドアノブに手をかけた瞬間、ドアノブが思い切り引かれた。
「?秋穂…」
ドアの前に立っていたのは、なんと速人。
『けっケータイ忘れてッッ』
声が裏返りまくる
「そ?ってか学校大丈夫?」
『ぇ?ぁぁぁ!!!!!』
時計を見ると始業1分前
『ひゃーッッどうしよう』
あたしは、慌てているのに速人は少しも動じていない。
『速人?いかないの?』
「ん?ああ…」
速人はそのままベッドに倒れこんだ。
『ちょっ!!!大丈夫?』
「ああ…」
速人はそのまま動かない。
もしかしたら、風邪?
そっと速人の額に手を添える。
────…熱い?
『ちょ?速人!!風邪?』
「あぁ?もういいからいけよ」
速人はかなり不機嫌だ
声もかすれて、少し怖い
『良くないよ!!そんな体で仕事してたの?』
「そうだよ」
『ちょっ悪化したらどうすんの!?』
「寝たら治るから、お前は早く出ていけ」
────…
デテイケ?
人が心配してるのに?
『そーですか!!!!!わかりましたよ』
あたしも腹がたって速人の部屋を出た