神様・俺様・速人様
あたしは当然、先生に大目玉をくらった。
「麻生、お前放課後職員室に来い。」
授業が終わり先生はそう言い残して教室を出た。
「何があったの?」
綾那がにやけながら聞いてきた。
『何も無いわよ!!』
「30分も遅刻する?」
『違うってば!!誤解!!速人熱出したみたいなの…』
「えー?」
『でも言い合いになって…』
「言い合い?」
『大丈夫だから、出ていけって…』
ん?思い出して腹がたってきた。
「そっか~」
綾那は少しがっかりしている。
「あーきほ!!」
『直哉!!』
最近直哉はあたしのところによく来る。
「俺今日部活出るわ♪」
『朝も聞いたよ?』
「俺さあやっぱ仕事も陸上も大好きだわ」
ぁあ…直哉ってほんと感情をすぐ表に出すんだ…
すごく好きなんだな…
『直哉、性格いいよ』
「そ?ありがとう」
耳まで赤くして直哉はあたしから目をそらした。
──────…キュン
心臓の奥の奥の方で確かに聞こえた。
『直哉陸上頑張ろうね♪』
「次の大会1位とるし?」
直哉はポンとあたしの頭に手を乗せてクラスに戻っていった。