神様・俺様・速人様
昼休み。
あたしは、いつもどうり綾那とご飯を食べていた。
「正直、直哉のことどう思う?」
突拍子も無い質問にあたしはむせかえる。
『はっはあ?』
「直哉と秋穂お似合いだなって!」
『おにあッッ!?!?』
「陸上カップルか~」
『だーかーら!!!!あたしは直哉を友達としか思ってないの!!!!!』
「今は…ね?」
はい?
「今はでしょ?これからは、どうにかなるかわかんないじゃない?」
綾那はにやけながら答える。
綾那のこの表情、読めなくて苦手!
『あたしらは…無いよ』
「少なからず、秋穂も意識してんじゃない?」
『はっ…はい!!!????』
「わかりやす」
『いやいやいやいや!待って!』
「何?図星?」
『違う違う!あたしが直哉を意識?』
「秋穂って好きな人出来たこと…」
ぅっ!その質問、少しキツイ!
『……………無いですが』
「えーッッーッッーッッーッッーッッーッッーッッ今時?」
『だってあたし、昔から陸上一筋だったんだもん!』
「マンガかよ!」
『ぅー・・・』
「秋穂…いいこと教えてあげる。あのね?好きっていう気持ちは、胸がキュンとするの。その人をずっと見ていたい…とかその人に触れたい…とか、その人のことばっか考えちゃうの…」
その人の…………?
「多分、まだ秋穂には無いわね。」
綾那は弁当を片付け始めた。
『無い…………なあ…』
「焦らず探しなよ!」
『うっ…うん…』