神様・俺様・速人様
────…
「秋穂ちゃん」
『紗智さん!?』
片付けをしていると、後ろから紗智さんが声をかけてきた。
「おつかれ。手伝おうか?」
『大丈夫ですよ!ありがとうございます♪』
「今日は速人くん…すごかったわね」
『……ぇえ、まぁ』
痛いところを突かれて、あたしは少し口ごもる。
「速人くん、秋穂ちゃんのこと好きなんじゃない?」
『!!はぁ!まさかまさか!』
「いいじゃない、芸能人に好かれるのよ?」
なんでだろう…紗智さんの言い方に皮肉がこもっている感じがする。
『そうじゃなくて…あたし、速人を芸能人として見ていないんですよ…』
「そう…じゃぁ、直哉は?」