吸血鬼と囚われ姫君

でも、本当に
振り落とされそうだったから
レオのシャツの
裾を握ってた。

レオだ。

まだレオだ。

よかった。

今日もそれが安心させてくれる。

レオが消えちゃったら
どうしよう。

また
そんなこと思い出すから
涙があふれたことをばれないように
そっとレオのシャツに
顔を埋めた。

「・・・どうかしたか?」

「ううん。何も。」

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