終局の狭間で、キミと。
「ひとりで、こんなとこに来て何してんの?」

後ろから声が聞こえる。


振り返ると、見知った男の子が立っていた。


「…………馨かぁ」

「なんだよ、悪い?」

少し、ふてくされた表情をして馨がこっちを見た。


「…………別に」















「……ていうか、なんで私服な訳?」


屋上からの帰りの階段をふたりで降りながら訊ねる。



今はまだ学校もやってるのに、馨は普通の私服を着ていた。



「ん? ああ……あの時の火事で、制服焼けちゃった」

「…………そっか」


かつんかつん、と一段ずつ降りる。

ところどころ、壁が少し崩れてた。






「…………俺たち、死ぬかもしれないんだよな」



何を今更、と言おうとしたけど、馨の顔は真剣な目をしていた。





「…………死ぬかもしれない、じゃなくて死ぬのよ、私たち」

「…………まあ、な」
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