終局の狭間で、キミと。
教室に戻ると、先生が強張った顔で教卓の前で突っ立っていた。




私と馨が席に着くと、まるで待っていたかのように学活が始まった。

というか、待っていたのかな。



「……実は、今日から学校は休校になります…………」

うつろな目で、先生が話し始めた。

来週辺りだって聞いてたけど、前倒しになったのね。



「みなさん……気をつけて帰ってください…………」


はっきりしない口ぶりで、先生がつぶやく。

大丈夫だろうか。














「…………茉莉亜、ちょっと待って!」


帰り道、また馨に呼び止められた。



「…………何?」


「俺さ、家焼けちゃってさ」

「……うん」


「茉莉亜んとこ、居候させて?」

「…………はぁ?」


何を言っているんだ、コイツは。



「私はあくまでも女よ? 他の男子共に頼みなさい」

「いや……仲の良かった奴、みんな田舎のほうに帰省しちゃっててさ」

「野宿しなさい」

「襲われたらどうすんだよ、茉莉亜が責任とってくれんのか?」

「襲われないわよ」

「ごちゃごちゃ言ってねーで、さっさと住まわせてくれ」

「…………はいはい」












たどり着いた我が家は、とりあえず家の形を保持していた。



「おじゃまします」

「誰もいないわよ」


玄関で靴を脱ぎ捨てる。



「ご両親は?」

「…………死んだ」

「…………ごめん」

「別にいいわよ、お互い様じゃない」









リビングにぽつんと置いてあるテレビをつけると、速報のニュースをやっていた。



『……国連は全指揮をただいま、放棄しました、このことについて日本政府は……』




「…………自分の身は自分で守れ、ってことか」

「…………そうね」
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