終局の狭間で、キミと。
テレビをボーっと眺めている馨をリビングに置いて、キッチンへ向かう。




「…………馨!」

「何ー?」

「食べれないものとか、アレルギーとか持ってないよね」

「……たぶん、持ってない、と思う」

「そう」







冷蔵庫から適当に食品を選んで、ちゃちゃっと炒める。


この間まで普通の高校生だったから、そんなすごいものは作れないけど。







「うまいよ」

「棒読みじゃない」


割り箸で炒め物をつつきながら、馨が話し始める。


「俺さ、死ぬ前にやり残した事ないかな……って思うんだよね」

「…………ん」

「うまく言葉にできないけどさ、なんだろ……わかんない」

「わかんないなら仕方ないわね」
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