終局の狭間で、キミと。
「……ねえ茉莉亜ー」
食べ終わって、お皿を洗っていると馨が隣に来て話しかけてきた。
「何?」
「お風呂、沸いてる?」
「…………忘れてた」
「ええっ!」
困ったなぁ。
「早だき機能とかついてないの?」
「ついてるけど、10分はかかる」
「10分なら待っていようかな」
馨がこっそり冷凍庫からアイスキャンディーを持っていくのを横目で見ていた。
その夜。
テレビをつけても、字幕のニュースばかりでつまらない。
何もすることがなくて、結局リビングで馨とお茶を飲んでいた。
「…………茉莉亜」
湯のみからちら、と顔を覗かせて馨が呼んだ。
「なに?」
「…………明日、暇?」
「暇もなにも、学校も休校になっちゃったし、やる事ないわ」
「そっか」
沈黙。
なにが言いたかったのよ。
「…………明日、ちょっと行きたいところがあるんだ。付き合ってくれない?」
静寂を破ったのは、馨だった。
「…………ん」
ちいさく、返事を返しておいた。