青空の奇跡


自転車に乗ってしばらくして、突然順平が言い出したことに食い付いたのは俺ではく、圭だった。


「ん?だから、初めて橘の家に行くんだって!
横山くんは、いつも行ってるかもだけどさー」


「いやいや、そこじゃなくて。
さっき、和己のことなんて呼んだ?」


「え?かずっち。」


「かずっ‥‥‥和己、お前いつからそんなあだ名持ってたんだよ~
俺今まで知らなかったぞー!」


圭はニヤニヤしながら、俺の自転車に自分の自転車を寄せてきた。


「バカ、寄りすぎだっての!事故るだろーが!あだ名は、順平が勝手につけたんだよ!」


「順平くんナーイス☆」


ふざけあいながら15分の帰り道はすぐに終わり、俺らは家に到着した。


「チャリ、そこに止めといて‥‥って、順平、なんでこの暑いのにニット帽なんて被ってんの?」


「いや、さすがに初対面で金髪はさー。
好印象のために僕は暑さと戦います。」



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