青空の奇跡


いや、そんな戦闘するなら、もう少し髪を暗くすればいいだろ‥‥と俺は思った。圭もそう思ったのか、俺たちは無言で順平を見つめた。


「そんな目で見るなよー!
なら暗くしろって言いたいんだろ?」


「わかってんじゃん。」


「でも、俺のこの髪はトレードマークだし、俺は金髪が一番似合うから暗くしたくないんだよ~」


「‥‥‥あっそ。」


俺は黒に近い焦げ茶以外、生まれてこのかた経験したことはない。
焦げ茶って言っても地毛だし。
わざわざ美容院行ったり、髪染め剤を買ってまで染めたい神経が理解できん。


「かずっち冷たい~」


ドアを開けようとそのまま無言で背を向けたら、そんな言葉が返ってきた。
振り返ると泣きまねのように袖で、目をがしがし拭いている順平がいた。



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