青空の奇跡
「うわーめんどくせぇ‥‥」


谷口は生活指導の先生。
いわゆる体育会系熱血教師。


今年の春に、つまり俺らと一緒にうちの高校にやってきたらしい。
最初は身だしなみに、こんなにうるさくなかった。


だけど、三ヶ月たって先生も学校に慣れてきたのか、ここ最近は怒涛の呼び出しラッシュである。


毎朝、正門や下駄箱で、地味にチェックをし、気になった奴を片っ端から昼休み、放課後を使ってここぞとばかりに呼び出しする。


女子いわく、スカートの丈が短い!なんかでも呼ばれることがあるらしい。
そんな谷口にとって金髪にピアスの順平は‥‥


きっと、1から10まで説教しないと本人の気がおさまらない、むしろ、日々エスカレートする呼び出しを見ると、先生本人もヤケクソな気さえする。



「お、噂をすれば順平くんのご帰還ですかな?」


圭が向けた教室の後ろのドアには、なぜか走ってきた順平の姿があった。


そんなにムカつくことでも言われたのだろうか‥‥。



「和己!圭!見て!!」



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