青空の奇跡
みんなどの基準で、この子と付き合おうって思うんだろうか。
その子しか視野に入らないような現象は何をもって起こるのだろうか。
顔?性格?雰囲気?声?
個性を掲げながら、流行にのまれていく今時の高校生にとって、恋愛なんて所詮ゲームみたいなものな気がする。
ノリで付き合って、簡単に別れて。
そんな面倒な恋愛ごっこするなら、俺は男友達と学生生活を満喫した方が楽。
明日から夏休み。
当分、この屋上には来ないだろう。
俺らはそう思ってか、最終下校の18時まで、大きな空を堪能した。
7月中旬すぎの18時。
オレンジに染まる夕焼けを包む雲は、まるで燃えている炎の渦みたいだった。