青空の奇跡
【7月27日 晴れ】
俺は頭痛と共に目を覚ました。
なんか夢を見た気がするけど、よく覚えてない。
時計を見ると11時を指していた。
ベッドから出ると、暑さのせいか寝汗をかいた自分の体が少し重かった。
まだはっきりとしない意識の中、俺は窓のカーテンを開ける。
快晴。
今日は雲一つないほどの快晴。
暑さは8月目前の夏真っ盛り。
40度近くあるのではないかと錯覚するほどの、照りつける窓越しの太陽の力。
灼熱の火の玉は、今日も俺のところに光を送ってくれている。
今日は、図書館に行く日。
誰かが決めたわけでもない、俺が今決めた予定。
俺は学校の教材を鞄に入れ、親たちのいる一階へ下りた。
「あら、和己、今起きたの?」
階段を下りる音に気づいたのか、最後の段にたどり着く前に母さんの声がした。
「‥‥今日は図書館行こうと思って。」
そのまま、リビングに顔を出すと俺の朝食か、はたまた昼食か。
まぁ、どっちでも変わらないけど、チャーハンがテーブルの上に用意されていた。