青空の奇跡


ゴクゴクゴク‥‥


全くと言っていいほど、水分をとってなかった俺は、冷たく冷えたカフェオレを一気に飲んだ。


「はぁ‥‥」


気が緩んだのか、ため息が自然と出た。
勉強に疲れたんじゃない、あの冷酷な空間にやられたんだと思う。


自習室は静かで集中できるから、頻繁に使うんだけど、未だに慣れない。







「‥‥あれ?かっちゃん?」


ふと顔を上げると、懐かしい顔がいた。


「おー、菜々子じゃん。久しぶり。」


「うん、久しぶり。」


菜々子は近所に住む一個下の女の子。
小学校くらいまでは、同じ登校班で、よく一緒に遊んだ。

だけど、俺が中学校に入ったくらいからかな?俺が学校の友達と遊ぶほうが楽しい!って思いはじめて、
気づけば菜々子とは、ただ面識があるってくらいで全然絡まなくなってた。



「かっちゃん、図書館で何してるの?」


「勉強以外ないだろ?
菜々子こそ、これから自習室行くのか?」




< 43 / 55 >

この作品をシェア

pagetop