青空の奇跡
そんなおばちゃん達がするような会話をくり広げながら、俺たちは森林公園までやってきた。
「でも、かっちゃん変わらないよね。
ほんとすぐわかったもん!!」
「菜々子だって変わってないから。」
「あたしこれでも中学入って、身長20センチも伸びたんだよ?」
「‥‥‥‥‥‥。」
「かっちゃーん、聞いてますかぁ?」
菜々子が話を続けるなか、俺は森林公園に釘づけになっていた。
いや、正しくは、森林公園の前に立っている女性。
黒いストレートの長い髪、今時珍しい白いワンピースと帽子、なにより服に負けないほどの白い肌と華奢な体。
まるで、幽霊のような、人間味を感じないオーラとたたずまい。
不気味さと美しさ、ミステリアスな雰囲気に俺は一瞬で目を奪われた。
「あ、あの人、中山さんじゃん。」
「え?!菜々子知り合いなのか?」