青空の奇跡


【7月8日 晴れ】


「暑いなぁー、和己ー、暑いよー」


学校の教室で、目を覚ますと、目の前にいた友達が下敷きをうちわがわりにして、暑さを俺に訴えてきた。


「俺に言うなよ。てか、余計に暑くなる。」


「今日お前バイト?ゲーセン行かねー?」


「別にいいけど、俺あんま今日金持ってねーよ。」


「マジかよー、んじゃ、お前ん家でゲームやろうぜ。」


「あー‥‥まぁ、いいよ。」


「決まり!また、放課後な!」


放課後に来ると言って、俺のいる教室から足早に去ったのは、幼なじみの横山 圭(ヨコヤマ ケイ)。


圭は小学校から高校まで、全く同じ学校に通っている。
クラスは隣の3組だが、いつも休み時間に遊びの誘いをしに来る。


別に、お互いクラスに馴染めていないわけではないけど、家も近いし、何より気をつかわない。
それが居心地良いからか、俺たちはよく一緒にいる。


「かずっち、次の英語の宿題やった?」


今度は同じクラスの桜田 順平(サクラダ ジュンペイ)が話しかけてきた。
こいつは、クラスの人気者‥‥というか、とにかく目立つ奴。


髪が金髪で、ピアスしてて、いつも生活指導のおっさんと追いかけっこしてる。
でも、良い奴で、クラスのムードメーカー的存在だ。



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