青空の奇跡
【8月4日 雨】
じめじめした空気が寝ている俺に乗っかって、やっと布団から出れたのは昼すぎだった。
枕元に置いといた携帯が光ってることに気づき手にとると、圭からメールが入っていた。
『今日、和己ん家行っていい?
宿題めんどくさいから、英語やってくんない?代わりに数学やるからさ。
起きたらメールして。』
俺は携帯をポケットに入れて、返信より先に一階に下りた。
階段を下りてる最中に、大抵母さんの声が聞こえるんだけど、今日は異常なくらい静かだった。
そのままリビングまで直行すると、テーブルの上にメモが置いてあった。
『かずきへ
今日、お母さんは友達とご飯食べに行ってきます。
冷蔵庫に昨日のカレーがあるので、お腹すいたら暖めて食べてね。
晩ご飯までには帰ります。』
今日はメッセージが多い日だな‥‥
一応、母さんに圭を呼んでも大丈夫か聞きに来たつもりだったんだけど、誰もいないなら、誰かに許可を求める必要はない。