STARTING!



俺がはぁ…とため息をついた瞬間、光里がどこかを見てはしゃぎだした。




「那知君、奈美さんならあそこにいるよ!?」



「はぁ?」




光里の指差す方向を、俺と兄貴は凝視する。


そこには、たくさんの人に囲まれている奈美さんの姿が。


どうやら、著名人の間でも奈美さんは人気らしい。




「くそぉー!俺の奈美に手ぇ出しやがって!」



「じゃあ兄貴が奈美さんを助けに行けばいいじゃねぇかよ…」




俺は興奮して我を忘れている兄貴にアドバイスする。




「なるほど!その手があったか!」



「というかその手しかねぇよ…」




俺が呆れたように呟くと、兄貴はダッシュで奈美さんを助けに行った。




.
< 29 / 69 >

この作品をシェア

pagetop