STARTING!
俺がはぁ…とため息をついた瞬間、光里がどこかを見てはしゃぎだした。
「那知君、奈美さんならあそこにいるよ!?」
「はぁ?」
光里の指差す方向を、俺と兄貴は凝視する。
そこには、たくさんの人に囲まれている奈美さんの姿が。
どうやら、著名人の間でも奈美さんは人気らしい。
「くそぉー!俺の奈美に手ぇ出しやがって!」
「じゃあ兄貴が奈美さんを助けに行けばいいじゃねぇかよ…」
俺は興奮して我を忘れている兄貴にアドバイスする。
「なるほど!その手があったか!」
「というかその手しかねぇよ…」
俺が呆れたように呟くと、兄貴はダッシュで奈美さんを助けに行った。
.