STARTING!
「河村依知様と…光里様でございますか?」
「は…はいっ…」
スーツ姿の男は、俺達を見るなりそう尋ねてくる。
パッと見た感じでは、二十代後半ぐらいだろうか。
俺達は、この怪しいスーツ男を警戒心剥き出しで見ていた。
そんな俺達の態度に気付いたらしいスーツ男は、少し微笑んでお辞儀をし始めた。
「驚かせていまい、誠に申し訳ございませんでした。
私、菅谷グループ社長秘書をさせていただいております、佐倉と申します」
「「す…菅谷グループ!?」」
驚いた俺と光里は、同時に復唱する。
…菅谷グループ社長秘書が、俺達になんか用が?
.