STARTING!



あたしもちょうど三年前、大翔を妊娠した時は、今の桃ちゃんみたいだった。




初めての妊娠、

つわりとの闘い、

全てが初めての体験で、何度もくじけそうになった。



だけど、そんなあたしを救ってくれたのは―――


他でもない、あたしの旦那様・いっちゃんだった。




いっちゃんは毎日のように、あたしの手を握っていてくれた。


「大丈夫」と数え切れないほどに励ましてくれた。



そんないっちゃんの何気ない行動に、あたしは励まされたの。


…一人じゃないって、分かったの。




「桃ちゃん」




巡る巡る想いを抱えながら、あたしは桃ちゃんに話しかけた。




.
< 48 / 69 >

この作品をシェア

pagetop