STARTING!



あたしの言葉を聞いて、遼平さんは桃ちゃんから手を離す。


桃ちゃんは涙目であたしを見た。




「…大丈夫だから。

くじけそうになったら周りの人が助けてくれるし、あたし達だって相談に乗る。

だから、そんな表情しないでよ。


…桃ちゃんは、笑ってる顔が一番なんだから!」




言い終えると同時に、あたしは桃ちゃんをギュっと抱きしめた。


いっちゃんも遼平さんも、あたし達の事を黙って見ている。




少しの沈黙の後、小さな声がした。




「…光里ちゃん、ありがとう。

あたし、弱音吐かずに頑張るよ」



「…桃ちゃん」




あたしは抱きしめている腕を緩めて、桃ちゃんの方を見た。




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