STARTING!
それは、毎度おなじみのあたしの兄・幸也が発した言葉から始まった。
「お前らさ、折角桃が妊娠したって言うのに、何かしねーのかよ」
ある日の昼下がり。
大きな会議が終わり家でくつろぐ遼平さんと、昼ご飯の片付けをしていたあたしに向かって、たまたま遊びに来ていたお兄ちゃんが呟いた。
「お兄ちゃん?」
「どういう事だよ幸也」
お兄ちゃんの発言に、あたしと遼平さんは食いつく。
相変わらずノーテンキなお兄ちゃんは、あたしのお腹を見ながら言った。
「桃と遼平が出会ったきっかけとなった、菅谷グループのパーティーがあったホテルがあっただろ?
あのホテルを借りて、今度は桃のご懐妊おめでとうパーティー開けばどうだ?」
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