In The Rain

無痛の背徳

朝は先に目を覚ます。


シャワーを浴びて着替えも済ませた後、コーヒーを作っておく。


ゆっくりとタバコを吸い落ち着いた所で…ちょっと大きめの音をだす。


バサッ


俺は仕事の書類をワザと落とした。


「んっ、……おはよ…。」
キョウコは目覚めた。


「あっ、ゴメン。起こしちゃったね…。おはよ。」


まだ、ちょっと寝ぼけてぼーっとしているキョウコに軽くキスした。


「ゴメンね。キッチン借りたよ。…コーヒー。飲む?」


「あっ、ありがとう…。」

「はいっ。」


コーヒーを渡して、落とした書類を鞄に入れた。


「オレ、会社出て、書類系の仕事するから…。行くよ。」


「えっ?」


「んじゃあ、また来るね。キョウコ、大好きだよ。」


「んっ。また……。」


最後に軽くキスをしてオレは部屋を出た。




作戦成功である。


ここで目覚めのセックスなんて冗談ではない。

それこそ、女の思うツボ、この男は私のモノ扱いになってしまう。


かといって、冷たくいつの間にか帰ったのでは、次が難しい。


優しく、そして与えすぎない。


そうすれば……。




♪♪♪

携帯がキョウコからのメールを着信した。


大好き系と次はいつ?系のメールだ。


それでも私の男顔するヤツがいるから女は恐ろしいが…。



心の中で、自分のやりすぎにツッコミと爆笑をして…パチンコ屋に並んだ。


ニオイ消しと博打のためだ。


もちろん、仕事なんかある訳ない。



程よく勝って、車でウチへ向かった。

念の為、同期の高橋にアリバイのお願いメールをしておく。


その時、昨晩来たメールをチェックした。


(ん?マジか?)



待っているメールは、チェックしないと来るもので、タイミング的にも最悪が多い。


着信から約12時間後にミクからのメールに気づいた。



(先日はありがとうございます楽しかったです



明日、会えますか?)




明日って…今日かよ?
とりあえず………どうしよう?
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